滑車の問題はよく出される
『消防設備士乙種6類』試験で、「機械に関する基礎知識の問題」は5問出題され、その中で計算問題が2~3問出題されています。
ここで計算問題は、滑車に関する問題がよく出題されます。
そこで滑車の問題について、「どうも計算問題は苦手やな」という方にも、できるだけ分かるよう解説いたします。
ぜひ最後までご覧になってください。
■ 滑車に関する問題
【問題①】
図のような100[N]の物体を持ち上げる場合、ロープを引くのに必要な力は何[N]以上か?
【答え】
ここでは2種類の滑車があります。
・動滑車…滑車の軸が天井に固定されていないもの
・定滑車…滑車の軸が天井に固定されているもの
ここで加える力は
・動滑車…1/2
・定滑車…変わらない
【問題①】では
100[N]の物体→
・動滑車…加える力は1/2なので、
100[N]の1/2は50[N]
・定滑車…加える力は変わらないので、50[N]
「50[N]以上の力でひもを引けばよい」が答えになります。
次は、動滑車が2つの場合の問題です。
【問題②】
図のような100[N]の物体を持ち上げる場合、ロープを引くのに必要な力は何[N]以上か?
【答え】
【問題②】では
100[N]の物体→
・動滑車…加える力は1/2なので、
1個目の動滑車
100[N]の1/2は50[N]
2個目の動滑車
50[N]の1/2は25[N]
・定滑車…加える力は変わらないので、25[N]
「25[N]以上の力でひもを引けばよい」が答えになります。
最後は、動滑車が4つの場合の問題です。
【問題③】
図のように動滑車と定滑車を使って1600[N]の物体を持ち上げるとき、定滑車のロープを引くために必要な力は何[N]以上か?
【答え】
【問題③】では
1600[N]の物体→
・動滑車…加える力は1/2なので、
1個目の動滑車
1600[N]の1/2は800[N]
2個目の動滑車
800[N]の1/2は400[N]
3個目の動滑車
400[N]の1/2は200[N]
4個目の動滑車
200[N]の1/2は100[N]
・定滑車…加える力は変わらないので、100[N]
「100[N]以上の力でひもを引けばよい」が答えになります。
ここで動滑車の個数が4個なので、以下のように計算してもよいです。
【機械に関する基礎知識その他の記事】
「消防設備士乙種6類」筆記試験の機械に関する基礎知識は、全部で5問出題され、そのうち計算問題は2~3問出題されているようです。
ここで、「みのおか式消防設備士乙種6類通信講座」では、「滑車の計算問題」以外にも、よく出題される問題を詳しく解説しています。
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【滑車問題の補足説明】
滑車に関する種類と定義
滑車とは、中央に軸を持つ回転可能な円盤と、その円盤を支持する構造部で構成される機械です。
円盤の外周にはロープやベルトなどの索状物をかけて、力の方向を変えたり、力の大きさを変えたりする目的で使われます。
滑車には、取り付け方や組み合わせ方によっていくつかの種類があります。代表的なものは以下の通りです²。
・定滑車:滑車の軸が固定されているもので、ロープの方向を変えることができますが、力の大きさは変わりません。
・動滑車:滑車の軸が固定されていないもので、ロープを引っ張ると滑車も動きます。
ロープの方向は変わりませんが、力の大きさは半分になります。
・組み合わせ滑車:定滑車と動滑車を組み合わせたもので、小さな力で重い荷物を持ち上げることができます。
滑車は単純機械の一種として古くから使われており、クレーンやエレベーターなどに応用されています。
また、滑車装置を使って荷物を持ち上げる時に必要な力や移動距離を計算することができます。
滑車に関する規格や法令は、日本産業規格(JIS)や労働安全衛生法などによって定められています。
例えば、JISでは滑車の形状や寸法、強度などについて規定しています。
労働安全衛生法では、滑車装置を使用する際の安全基準や点検方法などについて規定しています。