防火対象物点検資格者と消防設備点検資格者とは?
■ どちらも「点検者」がついている
「防火対象物点検資格者」と「消防設備点検資格者」は、消防設備士乙種6類試験の法令(共通)のところでよく出題されます。
「みのおか式消防設備士乙種6類通信講座」においても、テキスト、オンライン授業のスライド画像で解説しています。
どちらも「点検資格者」がついて間違えやすいので、注意してください。
■ 防火対象物点検資格者について
平成13年新宿区歌舞伎町のビル火災の大惨事をきっかけに、一定の防火対象物においては「防火対象物点検資格者」が火災予防に関係する事項などを総合的に点検し、報告することが義務付けられました。
【新宿区歌舞伎町のビル火災】
新宿区歌舞伎町のビル火災とは、2001年9月1日に起きた日本の歴史上最悪の火災の一つです。
雑居ビルの3階で出火した火災は、3階と4階にあった麻雀店やパブに煙や炎が広がり、44人が死亡し、3人が負傷しました。
出火原因は放火の可能性が高いとされていますが、現在でも未解決のままです。
この火災は、防火管理の不徹底や避難誘導の不備などが問題視され、消防法の改正やビルの安全対策の見直しにつながりました。
【防火対象物点検の点検項目例】
●避難訓練を実施しているか。
●防火管理者を選任しているか。
●避難階段に障害物が置かれていないか。
■ 消防設備士乙種6類で出題されやすい事項
出題されやすい事項は以下のとおりです。
●防火対象物点検資格者になるためには、防火管理者、消防設備士、消防設備点検資格者で3年以上の実務経験があり、かつ登録講習機関の行う講習を修了しなければならない。
●1年に1回点検を行い消防長または消防署長に報告する。
●点検対象防火対象物
・特定防火対象物で、収容人員300人以上のもの
・特定1階段等防火対象物 収容人員30人以上のもの
■ 消防設備士クイズ
【問題】
「防火対象物点検資格者」になるためには、防火管理者、消防設備士、消防設備点検資格者で(A)以上の実務経験があり、かつ登録講習機関の行う講習を修了しなければならない。
(A)に入る事項で正しいのは?
(1)1年
(2)3年
(3)5年
【答え】
(2)3年
防火管理者、消防設備士、消防設備点検資格者で3年以上の実務経験があり、かつ登録講習機関の行う講習を修了しなければならない。
▶「みのおか式消防設備士乙種6類通信講座」のオリジナルテキスト「消防設備士乙種6類重要事項のまとめ」(P23下側に記載しています。
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■消防設備点検資格者について
下記の防火対象物に設置されている消防用設備等の定期点検は、消防設備士、消防設備点検資格者が行わなければなりません。
・特定防火対象物 …… 延べ面積が1000㎡以上のもの
・非特定防火対象物 …… 延べ面積が1000㎡以上のものでかつ消防長または消防署長が指定したもの
・特定1階段等防火対象物 …… すべて
なお、ここで出てくる「特定防火対象物」と「非特定防火対象物」の違いについては、覚えておく必要があります。
「特定防火対象物」と「非特定防火対象物」の違いについては、ブログにまとめていますので、ご覧になってください。
■ 防火対象物点検資格者と消防設備点検資格者のまとめ
防火対象物点検資格者はソフト面での点検であるのに対し、消防設備点検資格者はハード面(設備面)での点検となります。
>>防火対象物点検資格者 (消防設備安全センター)
>>消防設備点検資格者 (消防設備安全センター)
■ 消防設備士クイズ
【問題】
消防用設備等の定期点検を、消防設備士または総務大臣が認める資格を有する者にさせなければならない防火対象物として、消防法施行令で定められているものは?
ただし、消防長または消防署長は指定しないものとする。
⑴ 1100㎡のホテル
⑵ 1500㎡の大学
⑶ 600㎡の飲食店
⑷ 1200㎡の共同住宅
【答え】
⑴ 1100㎡のホテル
まず、問題文より「消防長または消防署長は指定しないものとする」とあるので、非特定防火対象物を選択肢から外します。
ここで、非特定防火対象物は、⑵ 大学と⑷ 共同住宅なので、これらを選択肢から外します。
次に、「延べ面積が1000㎡以上のもの」において有資格者の点検が必要となりますので、⑴ 1100㎡のホテルが答えとなります。
■ 「みのおか式通信講座」他のブログ記事
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「消防設備士乙種6類試験」の「機械に関する基礎知識」でよく出題される「力のモーメント」「滑車の問題」を中心に解説しています。
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