各消火器の加圧の方式について
■消防設備士乙種6類 「実技試験(鑑別問題)」などで重要
「各消火器の加圧の方式」は、消防設備士乙種6類の筆記試験の「消火器の構造、機能整備の方法」の科目や「実技試験(鑑別問題)」において重要です。
各消火器の性質を勉強する前に、「各消火器の加圧の方式」を覚えておくと全体が理解しやすくなります。
『みのおか式 消防設備士乙種6類 通信講座』テキストでは、「各消火器の加圧の方式」について以下の表のようにまとめています。
この表の内容を説明していきます。
■消火器の加圧の方式には「蓄圧式」と「加圧式」がある
消火器の加圧の方式には、「蓄圧式」と「加圧式」があります。
さらに「蓄圧式」と「加圧式」は、それぞれにおいて二つに分類されます。
❶蓄圧式の消火器
「蓄圧式の消火器」は、表のように「⑴圧縮ガス(窒素ガスなど)の圧力により消火薬剤を放射する消火器」と「⑵消火薬剤自身の圧力により放射する消火器」があります。
⑴圧縮ガス(窒素ガスなど)の圧力により消火薬剤を放射する消火器の例
蓄圧式強化液消火器
蓄圧式機械泡消火器
蓄圧式粉末消火器
図に「蓄圧式粉末消火器」の放射を示します。
レバーを握ると消火器本体内に入っている圧縮ガスの圧力により、消火薬剤がノズルの先端から放射されます。
ここで重要なのは、「圧縮ガス(窒素ガスなど)の圧力により消火薬剤を放射する消火器」には指示圧力計がついているということです。
⑵「消火薬剤自身の圧力により放射するもの」する消火器の例
二酸化炭素消火器
(消火薬剤である二酸化炭素自身の圧力により放射します。)
❷加圧式の消火器
「加圧式の消火器」は、表のように「⑴ガス加圧式」と「⑵反応式」があります。
⑴ガス加圧式の例
ガス加圧式粉末消火器
大型ガス加圧式強化液消火器(車載式)
大型ガス加圧式機械泡消火器(車載式)
図に「ガス加圧式粉末消火器」の放射を示します。
レバーを握るとガス容器の封をしている板(封板)が破れ、加圧用ガスが、 ガス容器からガス導入管 を通って消火器本体に入り、消火薬剤がノズルの先端から放射されます。
ここで重要なのは、「ガス加圧式」には加圧用ガス容器がついているということです。
⑵反応式
化学泡消火器
(A剤とB剤の化学反応によって生じる二酸化炭素のガス圧により放射します)
■ 試験によく出る「粉末消火器の加圧の方式」
粉末消火器の加圧の方式は、「ガス加圧式」と「蓄圧式」があります。
ここで「ガス加圧式」は、加圧用ガス容器から加圧用ガスが放出されるとき大きな圧力が加わるので、消火器が腐食していると破裂事故につながります。
そのため現在、各メーカーさんでは、ガス加圧式から「蓄圧式」の消火器へ生産の切り替えを行っているようです。